壁に耳あり障子にメアリー

瑞々しさを失わないための備忘録。ブログ名が既に親父ギャグ。

ラヴコネクション

Album: Atomic Heart

 

Atmic Heartの3曲目である。この曲は、恋愛に対するわがままな男の自意識が垂れ流されている。

 

Aメロで桜井はこのように歌う。

 

ワンタッチの関係ではエクスタシーはない
トゥマッチな愛情に触れてもつらい

 

Mr.Childrenの歌詞には、韻が頻出する。そして、それは単なる言葉遊びではなく、対比を伴って重要なテーマを提示することが多い。今回は、「ワンタッチ」と「トゥマッチ」で韻を踏んでおり、それは、一夜限りの恋と、濃密な愛をそれぞれ言い表している。桜井は、その両方を否定する。どちらも、彼にとっては不十分なのである。

 

そのくせ、サビに入ると途端に恋に溺れだす。落ち着きがない。

 

Tell me what do you want
Oh what do you think baby
僕を揺さぶってくれよ
What do you want
一体どうして欲しいんだ
今夜も Oh baby baby please yeah

 

一夜限りの軽い恋は嫌だ。かといって、互いに愛を示し合うような関係も嫌だ。ああ、なにかいいことはないか。誰か、「僕を揺さぶってくれ」。このような心情が読み取れるだろう。ある種、わがままな男が、救世主たる女性を探している。「一体どうして欲しいんだ」というセリフは、桜井が女性に向けていっているようで、その実、納得できる理想の恋愛を追い求めてしまっている自分自身に言っているのかもしれない。若さのエネルギーが迸っている。

 

こうなってくると、歌詞の着地点をどうするか、非常に悩ましいところである。「君」に向けて語ればいいのか「僕」にむけて語ればいいのか。桜井の示した解答は、どちらにも明確に答えることなく、Mr.Childrenのお決まりパターン「全部受け入れていくよ」へと収斂していく。

 

なんだかんだ言ったって
老いてく君の美貌も
いいだろう訳ありの過去も
愛してあげよってなもんさ

 

結局、この曲は、最後の優等生的な歌詞も含めて、若者の「正しい」恋愛の悩みについて歌った曲なのである。尾崎豊的な、窓ガラス全部割って、盗んだバイクで走りだすような危ないことはしない。ただただ、恋愛における矛盾に悩んで、それでも最終的には、「大きな愛」に気づく。桜井はこの優等生的感覚を常に持ち続けている作家であるから、大きな支持を集めたのだろう。